石破首相はトランプ大統領の顔色を伺い、「ガサ地区所有」、パリ協定離脱などはに批判も抗議もしなかった。なんと卑屈なアメリカいいなりか。
2027年度以降も更なる大軍拡を続ける誓約かという内容も。危険な日米同盟絶対の暴走だ。
日米首脳会談
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— 田村智子 (@tamutomojcp) February 8, 2025

日米首脳会談について　卑屈で危険な「日米同盟絶対」の姿を露呈

2025年2月8日　日本共産党幹部会委員長　田村智子

一、日米首脳会談で、石破首相は、パレスチナ自治区ガザの住民の強制移住や、パリ協定からの離脱など、国連憲章と国際法にもとづく国際秩序を踏みにじり、人類が協力してとりくむべき緊急の課題に背を向けるトランプ大統領の一連の言動への批判をまったく回避し、ひたすらトランプ大統領におもねる態度に終始した。「日米同盟の抑止力・対処力」のさらなる強化で合意し、２０２７年以降も大軍拡を続けることを誓約した。それは卑屈で危険な「日米同盟絶対」の姿を露呈するものとなった。

一、トランプ大統領が、イスラエル・ネタニヤフ首相との首脳会談で表明した、ガザの住民の強制移住と米国による所有の宣言は、国連憲章と国際法、「二国家解決」という国際社会の合意を蹂躙（じゅうりん）した、無法そのものの宣言であり、国連や中東、欧州をはじめとする各国政府が厳しく非難していることは当然である。にもかかわらず石破首相が、首脳会談で抗議し撤回を求めるどころか、この問題に触れることさえしなかったことは、きわめて重大である。

一、気候危機問題でも、トランプ大統領によるパリ協定離脱に対して、何らの批判も行わなかった。反対に、米国の貿易赤字の穴埋めのために、同国からＬＮＧ（液化天然ガス）を新たに購入する約束をおこなった。気候危機打開の国際的とりくみに背を向けるトランプ大統領に、「ＬＮＧ購入」という形であからさまに協力する姿勢は、国際社会の厳しい批判をまぬがれないだろう。

一、首脳会談で石破首相は「日米同盟をさらなる高みに引き上げる」といい、「日米同盟の抑止力・対処力をさらに強化していく」ことで合意した。自衛隊と米軍の「指揮・統制枠組みの向上」が強調され、「南西諸島における二国間のプレゼンスの向上」が明記されたことは、中国への軍事的対抗を目標にすえた、日米一体の「戦争準備」を新しい段階に進めようというものである。

重大なのは、共同声明で米側が、「２０２７年度より後も抜本的に防衛力を強化していくことに対する日本のコミットメントを歓迎」したことである。現在、日本政府は２７年度に軍事費を国内総生産（ＧＤＰ）比２％にしようとしているが、２７年度以降もさらなる大軍拡を誓約したことは、きわめて重大である。

一、共同声明は、米軍辺野古新基地建設の着実な実施が「極めて重要」であることも確認した。政治的にも、技術的にも、財政的にも破たんが明白な同基地建設に固執することに絶対に未来はない。

沖縄では米兵による性的暴行事件が相次いでいるが、首脳会談で石破首相が抗議の意思を表明することも、是正を求めることもしなかったのは許しがたいことである。

一、この間、日本被団協によるノーベル平和賞受賞という出来事が起こったが、首脳会談では核軍縮についての真剣な話し合いはなされず、反対に、米国の核を含む「拡大抑止」のさらなる強化を宣言した。これは、「核兵器のない世界」を願う多くの日本国民、世界の人々の願いに逆行するものである。

一、日本共産党は、日本政府が、卑屈で危険な「日米同盟絶対」から抜け出すことを強く求める。いま日本がなすべきは、東アジアの軍事的緊張を激化させ、戦争の危険を増大させる大軍拡でなく、わが党が「東アジア平和提言」で明らかにしているように、東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）と協力し、東アジアサミットなどこの地域のすべての国ぐにを包摂する枠組みを強化し、東アジアの平和を創出するための憲法９条を生かした平和外交である。日本共産党はそのために全力を尽くす決意である。

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