コメント 【悲報】全日本教職員組合が辺野古事故について談話「平和教育への過度な萎縮の広がりを危惧」「安全確保の重要性と平和教育の必要性は別」「今後も、教育の自主性と教職員の専門性、子どもたちの学ぶ権利を守り、平和教育を発展させる」
2026年4月23日
【談話】同志社国際高校修学旅行中の死亡事故について
全日本教職員組合(全教)
書記長 金井 裕子
3月16日、沖縄県名護市辺野古の沖合で修学旅行中に訪れていた同志社国際高校の生徒と「不屈」の船長のお 二人が亡くなり、尊い命が失われるという痛ましい事態となりました。亡くなられた方のご冥福を心よりお祈り するとともに、ご遺族のみなさまに深く哀悼の意を表します。
学校教育活動において、子どもたちの生命と安全を守ることは何よりも重要な責務です。修学旅行をはじめと する校外での教育活動は、教室での学びを広げ、子どもたちの視野を深める大切な教育実践ですが、その実施に あたっては万全の安全対策が求められます。本件については、事故の経緯と原因について徹底した検証を行い、 安全の確保と再発防止のための具体的な対策を明らかにすることが不可欠です。関係機関による客観的で丁寧な 調査を通じて事実を明らかにし、学校現場が安全に教育活動を実施できる条件整備が必要です。
4月7日、文科省は「学校における校外活動の安全確保の徹底等について」(通知)を発出し、「学校における 校外活動時の安全確保について」や「「旅行・集団宿泊的行事における留意点について」のほか、「適切な教育活動の実施について」をその内容に盛り込みました。そこでは教育基本法第 14 条第 2 項で定められている「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動」が禁止されていることや、「特定の見方や考え方に偏った取扱い」がないよう強調しました。また、資料として 2015 年に発出した「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」(通知)も添付し、政治的中立性の確保について、改めて強く打ち出しました。修学旅行における平和学習の調査がおこなわれた自治体もあり、学校現場では平和教育に対する過度な萎縮の広がりが危惧されます。教育活動における安全確保の重要性と平和教育の必要性は分けて考えるべきです。
修学旅行における平和学習や戦争遺跡・資料館の見学などは、戦争の悲惨さと平和の尊さを学び、二度と同じ 過ちを繰り返さない社会を築くために長年積み重ねられてきた教育実践です。平和教育は日本国憲法の理念、と りわけ憲法前文が掲げる「平和のうちに生存する権利」や第 9 条の平和主義と深く結びついた教育活動であり、子どもたちが歴史と社会について主体的に考える力を育む重要な学びの場でもあります。今回の事故をとらえて平和教育を「偏った取扱い」にすることは、教育の本質を歪め、自由と専門性を損ない、子どもたちの学ぶ権利を狭めるものです。平和教育は、特定の政治的立場を押しつけるものではなく、子どもたちが多様な資料や事実に触れ、自ら考え、判断する力を育てる営みです。戦争と平和について学ぶことは、民主主義社会を担う市民を育てるうえで不可欠であり、その教育的意義はきわめて大きいものです。
子どもたちのいのちと安全を守る教育環境を確立するとともに、戦争の悲惨さと平和の尊さを学び続ける教育 を守り発展させることは、社会全体の責任です。全教は今後も、教育の自主性と教職員の専門性、子どもたちの 学ぶ権利を守り、憲法の理念に基づく平和教育を発展させるため、全国の教職員とともにとりくんでいく決意で す。
以 上
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日教組: 日本労働組合総連合(連合)に加盟。立憲民主党や社会民主党の候補を推薦・支援。
全教: 全国労働組合総連合(全労連)に加盟。日本共産党と連携することが多い。
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